高血圧は60歳以上では男性で72%、女性で51%
70歳以上では男性で76%、女性で74%
と報告されている中年以降のほとんどの人が該当する可能性のある生活習慣病です。
また、高血圧者の33%は、自分が高血圧であることに気づいていないといわれています。
血圧は130を超えたあたりから健康リスクが高くなると言われているため何かしらの対策をして血圧を下げる必要があります。
高血圧、糖尿病、脳血管疾患、心疾患、腎臓病等
循環器系の病気や生活習慣病の多くを予防するためには減塩が重要な課題になります。
生活習慣病を予防するためには高血圧にならない為の食事法や習慣を改めて見直す必要があります。
食事で健康になる方法
1, 健康に良くない食品を減らす

食べ過ぎると健康に害がある食品は多く存在しています。
特に塩分の多い食品は食べる量を調整する必要があります。
健康で過ごすためにはリスクの高い食品をよく知って、食べる機会をできるだけ減らしていきましょう。
・塩分の多い食品

どの商品が塩分が多い食品なのかをよく知って、できるだけ食べる機会を減らしたり
スープを多く残したりと工夫して、減塩を効率よく成功させましょう。
代表的な塩分の多い食品
カップめん、インスタントラーメン、梅干し、漬物、辛子めんたいこ、塩さば、まあじの開き干し、塩じゃけ、パン、たらこ、はんぺん、干物、佃煮、練り製品、肉加工品(ハム、ソーセージ、ベーコン)など
汁物や麺つゆはできるだけ飲まないように工夫しましょう。
※味噌や納豆などの大豆発酵食品には、血圧を下げて脳卒中を防ぐ効果がある事が分かってきました。
熟成味噌では特にこの効果が高いので、一概に塩分量だけで控える必要はありません。
・糖分の多いジュースや高カロリー炭酸飲料

糖分の多い飲み物は高血糖、内臓脂肪型肥満、高中性脂肪、LDL(悪玉)コレステロールの上昇、HDL(善玉)コレステロールの低下など、さまざまな健康障害を引き起こします。
不健康な食事や運動不足がホルモンの分泌や作用の異常を引き起こすと言われています。
ホルモン異常になると、血圧やコレステロール、中性脂肪などの血中脂肪が上昇しやすくなり、高血圧や脂質異常症のリスクが高まり心臓病や脳卒中の危険因子になります。
高カロリー飲料は吸収が早く中毒性があり腎臓にも悪い影響を与えます。
飲む量を可能な限り控えることがベストです。
・酸化した油を含むもの

酸化した油は細胞の機能が低下し動脈硬化や認知症などを招く原因になってしまいます。
避けるべきは飽和脂肪酸の含まれた食品です。
<飽和脂肪酸>

主に動物性で、バターやラードなど常温で固形の形状をしたものが多いのが特徴です。
過剰摂取すると、中性脂肪が上昇し動脈硬化の原因になる事もあります。
2, 健康に良い食品を食べる
健康に良い食品と言っても具体的にどのような食品の事でしょうか?
具体的な健康に良い働きをする食品をご紹介します。
・血流を助ける食べ物

酢に含まれる酢酸は血管を拡張する作用がある物質アデノシンの分泌が促され血管にかかる負荷が軽減され血流がアップします。
外食やお惣菜を食べる時は酢をかけて食べるだけでも効果があります。
酢をかけて食事をする事は外食の時でも気軽にできるので、積極的に取り入れてみましょう。
米酢、黒酢、穀物酢、バルサミコ酢、リンゴ酢どれでもOK

レモン酢は優等生
レモン果汁自体に血圧を下げる成分が含まれている
レモンフラボノイドは血管を柔らかくする成分です。
生でなくても市販の瓶入りのものでOKなので色々な場面で使い勝手が良いです。
酸っぱい味が苦手な人ははちみつなどと合わせて使用すると効果的です。
レモンの皮、果実には疲労回復効果が!
豊富なビタミンCは免疫力を高め、
皮膚や粘膜の健康維持を助ける抗酸化作用があります。
クエン酸はカルシウムや鉄の吸収を助ける効果があり
皮には腸内環境を改善する食物繊維や、中性脂肪の吸収を抑えるフィトケミカルが豊富です。
・血圧を下げる食べもの ①DHA・EPA

DHA・EPAは青魚や脂肪の多い魚に豊富に含まれています。
DHA・EPAの多く含まれる食品
サバ・サンマ・イワシ・マグロ・ブリ・鮭
マグロなら霜降りのトロの部分に多く含まれています
ウナギや筋子アンコウの肝などにも豊富に含まれています。
DHAは、血管や赤血球の細胞膜を柔らかくする働きによって、血流をよくします。
EPAは、血小板凝集抑制作用によって血栓をつくらせないことで血流をよくします。
どちらも血圧を下げる効果があります。

「サバ缶」「サンマ缶」「イワシ缶」など缶詰を利用すると手軽にDHA・EPAを接種できます。
缶汁の中にもたくさん含まれているので汁ごと利用してください。
・血圧を下げる食べもの ②不飽和脂肪酸
<脂肪酸について>
脂質を構成する成分が脂肪酸です。
脂肪酸は、人体の細胞を作るうえで必要な成分で
「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類に分けられます。
・飽和脂肪酸:血中のコレステロールを上げる脂質
牛や豚の赤身肉、鶏肉の皮の部分、乳製品など、動物性の脂に多く含まれます。
・不飽和脂肪酸:コレステロールを下げる脂質
主に魚や植物に多く含まれており、全身の細胞膜の材料になるなど、とても重要な働きをしています。
不飽和脂肪酸は血圧やコレステロールを下げる効果があり、健康的な生活を送る上で欠かせない成分です。
不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分類されます。
一価不飽和脂肪酸のなかで特に知られているのは、オレイン酸です。
オレイン酸には血液中の悪玉コレステロールを下げる働きがあるとされています。
一価不飽和脂肪酸の多い食品
オリーブオイルやキャノーラ油(菜種油)にはオレイン酸が多く含まれており、脳卒中や心筋梗塞などの発症を減らすという報告があります。
オメガ9脂肪酸(n-9系脂肪酸)⇒オリーブ油、ひまわり油、牛肉、アーモンドなどに豊富です。

多価不飽和脂肪酸は動脈硬化や血栓の予防、血圧を下げる働きが期待され、さらにLDLコレステロールの低下に役立つといわれています。
多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む植物油を十分に摂取すると、血圧が低下するという調査結果もあります。
多価不飽和脂肪酸の多い食品
大豆油や紅花油、コーン油などに含まれるリノール酸、えごま油やクルミなどに含まれるリノレン酸、青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)

多価不飽和脂肪酸の特徴
オメガ3脂肪酸:魚やアマニ油・エゴマ油に豊富
オメガ3系脂肪酸には直接血圧を下げる効果があります。
オメガ6脂肪酸:大豆油やコーン油などに豊富
・塩を排出させる食べ物

ミネラルは体内から塩を排出する働きがあります。
体から塩分を排出する3大ミネラル⇒カリウム、カルシウムは、マグネシウム
カリウム、カルシウムは、マグネシウムの多く含まれている食品をできるだけ摂取しましょう。
カリウム(K)

カリウムには、腎臓でのナトリウムの吸収を阻害して排塩を促す働きがあります。
血液中のナトリウムを尿中に排泄させて血圧を下げる効果もあります。
ナトリウムに対して2倍のカリウムを取ることが理想
ただし、カリウムは腎機能が低下している人が摂り過ぎると、高カリウム血症になる心配があるので注意が必要です。(人工透析など)
カリウムの多い食品
緑黄色野菜やキノコ
ブロッコリー、ニンジン、リンゴ、小松菜、ほうれん草、ピーマン、大豆食品、レーズン、海草、さつまいも、トマト、ジャガイモ、ケール、コンブ、ヒジキ
パプリカ、パセリ、アボカド、納豆、山芋、里芋、バナナ、メロン、キウイフルーツ
※カリウムは水溶性で煮たり水にさらすと溶けて流れてしまいます。
できるだけ生で食べたり蒸す、電子レンジで調理する方法がお勧めです。

ほうれんそう:NO産出のもとになる硝酸塩が豊富
ナス:アミノ酸の一種のGABAという成分が多く含まれる
GABAは体内で血管を収縮させるノルアドレナリンの分泌を抑え血圧の上昇を防ぐ効果がある
低塩トマトジュースは高めの血圧を下げる効果と善玉コレステロールを増やす効果
マグネシウム(Mg)

血管を広げ、血圧を下げる効果が期待できます。
マグネシウムの多い食品
玄米、カボチャ、ホウレンソウ、豆腐、ナッツ
マグネシウムは海苔やワカメ、あおさなどの海藻類のほか、玄米や発芽玄米、干しエビ、ゴマ、アーモンド、カシューナッツなどのナッツ類に多く含まれます。
カルシウム(Ca)

カルシウムが血管を収縮させる作用を抑え、血圧を正常に保つ働きがあります。
不足すると血中カルシウム濃度が上昇し、血管を収縮させ血圧が上がるため、摂取不足に注意が必要です。
カルシウムの多い食品
ブロッコリー、ケール、ゴマ、海苔、わかめ、昆布、牛乳、ヨーグルト
小魚や干しエビ、豆腐

・その他の身体によい食べ物
イソフラボン/ポリフェノール
抗酸化作用
豆類
納豆:ナットウキナーゼ(血栓溶解酵素が豊富 脳梗塞の予防
渋皮つきのピーナッツ

みそ:味噌に含まれる塩分は同じ量の塩分をそのまま摂取するより血圧を上げにくい事が分かってきました
納豆と同じくらい大豆に含まれるイソフラボンが血管を強くする役割があるから
植物繊維

食物繊維の中でも特に、水溶性食物繊維のアルギン酸は高血圧の予防が期待できます。アルギン酸はナトリウムを体外へ排出する効果があります。
水溶性食物繊維を多く含む食品は、海藻・果物・芋類・豆類・野菜等です。
ぼう、納豆、きんかん、オクラ、芽キャベツ、インゲン豆、菜の花、モロヘイヤ、なめこ
ごぼう、納豆、きんかん、オクラ、芽キャベツ、インゲン豆、菜の花、モロヘイヤ、なめこ
野菜、きのこ、海藻、玄米などに多く含まれる食物繊維は、小腸でのコレステロール吸収や食後高血糖を抑えるので、高血圧の人だけでなく、糖尿病や血糖値が高めの人にも
玄米や全粒粉など精製度の低い穀物
カテキン

利尿効果
飲んでから1~2時間で血液中に吸収されるため効率よく血圧上昇を抑える事ができる

緑茶:
アミノ酸の一種のGABAという成分が多く含まれる
体内で血管を収縮させるノルアドレナリンの分泌を抑え血圧の上昇を防ぐ効果があります。
健康を維持するためには食塩摂取量を無視することはできません。
塩をできるだけ食べない方法も良いですが、効率よく塩を身体から出してくれる食べ物や
血圧を下げる効果のある食品をどんどん利用して積極的に減塩美食をしていきましょう。
辛いだけのイメージから楽しい美味しいイメージに切替えていければ
毎日続けることができるはずです。
健康に良い血圧を下げる食事を家族と一緒に積極的に取り入れていければ
美味しい食事としてみんなの健康に役立ちますね!
食べて健康になる食材
脂肪酸について
「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸について
「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」