胆のうの専門内科と外科

肝・胆・膵内科
聞きなれない名前の科は大学病院の診療科の中にありました。

肝・胆・膵内科には肝胆内科と膵内科があり肝胆内科は肝臓と胆嚢、膵内科は膵臓と臓器で
分かれています。
専門の科があるという事はそれほどこの臓器を患っている人が多いという事なのでしょう。

肝胆内科の待合室は診察待ちの人があふれている内科待合室の奥で膵内科と並んでありました。
多少人は少ないようにも見えますが、多くの肝臓、胆嚢、膵臓を患っている人たちが順番を待っていました。
予約時間から40分ほど経過したころに「111」と予約待ち番号が点灯しました。
ぞろ目の予約番号
特にラッキーな事でもないのに、なぜか揃っている番号を見ると良い番号と思えてしまうのも変ですが‥

担当医師は想像していた風貌とは違ってまるで山男のような方でした。
人間ドックの時の腹部超音波検査の映像を見ながら胆嚢ポリープの簡単な説明がありました。

映像では胆嚢の内側に小さなポリープの影が確認できます。
ポリープの大きさが 10mm 以下の場合はほとんどが良性の可能性が高く
大きさが 10mm以上でポリープの付け根が太い場合は悪性腫瘍(胆のう癌)が疑われます。
良性か悪性かの区別は、ポリープの大きさや形態、胆のう壁の状態から判断されます。

「私の場合はどうでしょうか?」

医師は紙にペンで胆嚢の絵をかき込んで今の状況を説明してくれました。

「ポリープは丁度10mmくらいです。
胆のう壁も厚くなっていますが、すごく問題というほどの厚みでもないようです。
形状は写真で見る限りでは付け根が太くも見えませんが、もう少し詳しく検査する必要がありますね。良性の場合は経過観察、悪性の場合は手術が必要です。」

「良性と判断された時は経過観察と言いますがどれくらいの頻度で検査をしますか?」

「3カ月位の感覚で検査を繰り返す必要があります。はじめ良性でも途中から悪性になる可能性もあります。
悪性の場合速いスピードで大きくなり転移することもありますからできるだけ早い手術が必要になります。」

「手術以外の治療方法はないのですか?」

「残念ながらありません。」

手術か経過観察の二択ですか!!

思ってもいない答えに頭の中が真っ白になりました。
もしかしたら石ができているのかもしれないなんて素人判断をしていましたが
癌なんて想像したことがなかったので何の心構えもありません。
直ぐに結論を出すのはとても無理です。

「私の判断は経過観察でもよいのかとも思いますが判断が難しいところですね。
少し様子を見てみてもよいのかな。
一度外科の先生のアドバイスを聞いてみるのも良いかもしれません。
紹介状を書きますので受信してください。」

「外科‥ですか…」

後日、改めて肝・胆・膵外科を受診しました。

外科の壁にある電光掲示板に8つの診察室の担当医の名前が並んでいて紹介された先生は6番の部屋でした。
他の部屋とは違い順番待ちの番号は空白で人の出入りもありません。
予約時間から30分ほど経過したころに青い医療着をきた医師が部屋の中に入っていきました。ほどなくして6番の枠に「707」の番号が点灯しました。

青い医療着の担当医が映像を見ながらてきぱきと今の私の病気について説明をはじめました。
彼の見解は内科医の先生とは違い迷いなく手術です。
限りなく胆嚢がんを想定している様子でした。

今までの手術の実績をじっくりと説明してもらいました。
癌でない場合は腹腔鏡手術になるが癒着などが多い場合は開腹手術になる。
実際のポリープを病理検査にかけて癌とわかることも多くあるためその場合は改めて手術が必要になる。

癌の場合は転移状況によっては肝臓などを一部切除する必要が出てくる
今までの自分の数多い手術実績からどちらのケースであっても十分対応する準備があるため
安心して任せていただきたいときっぱりとした口調で癌のリスクを伝えられました。

〇〇医科大学病院では一人の患者に対してチームで診断に取り組むそうで
治療の方針や手術の方法等は私の診断にかかわっている肝胆内科の主治医、肝胆外科の主治医
手術の出頭医など5,6名の医師が一緒に取り組んでいくそうで心強い感じがしました。

内科を受診した時から少し時間がたっていた事もあり私の中で手術をしなければいけないのかもという自覚が出ていました。
目の前の自信に満ちあふれた働き盛りのこの医師になら安心して手術をお願いする事ができそうな気持になっていました。

「それではその方向でまずはもう少し念入りな検査を始めていきましょう」

「はい、よろしくお願いします。」

自分の中で初めて手術を受けるのだという実感が湧いてきました。

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Athena
兵庫県在中60代現役です。 ある日突然、忘れていた夫の高血圧が再発しました! 今後の生活プランは全て見直しになり突然の通院生活が始まりました。 そんな時自分自身も隠れていた病気が見つかってしまいました。 予定外の事態! まだ20年は元気でいられる予定でしたから落ち込んではいられません。 それでも諦めないで、持病があっても100歳まで元気で過ごすことができないかとあれやこれやと奮闘しています。 長くなりそうな闘病生活を少しでも快適に便利に改善していくためのブログの始まりです。 病気がみつかってがっかりしている人が もう一度やる気になれますよう役立つ情報を発信していければと思います ・持病があっても絶対に100歳になってみたい人 ・大切なご家族に100歳まで元気でいてほしい人 一緒に考えて賢い選択ができれば嬉しいです!